寿命とは・・・

しばらく前、またまた歳月を経た1台を触りました。 とても綺麗で健康的な状態でした。
耳にされたことがあるかもしれませんが、フレームの部材に関してアルミは〇年、クロモリ〇年、カーボン〇年、みたいな事はずっと言われてきています。 僕も以前某フレームビルダーさんとお話する機会が有り聞いてみたことがありますが、その方とネットで転がってる情報とでは年数が違ったりして、「あぁ、これは車の10kmみたいなもんで、正確にどうこう言える事ではないんだな」と感じた事があります。

当たり前に距離と時間で金属の経年劣化は変わるでしょうし、体重や乗り方なんかで負荷も変わるので、一概に何年というのは難しいところですね。 経験談だと僕の前のミヤタ通勤シングル号は、80年頃の廉価グレードをシングル化して乗ってましたが、僕が乗った年数だけでも10年は使いました。他の自転車と乗り分けていたとは言えそれなりの年数です。(今はさすがにフレームのみにして観賞用に)

破断したりヒビが入るまで乗るのも選択肢の1つですが、僕にはそれは出来ずで手放すことも嫌なので観賞用としてこれからも一緒に居ようと思っています。 決して高級フレームでもなくヤレて日焼けもしてるんですけど、最初に感じた「かっこいい」は今もあるもんなんですねぇ。実際に後何年乗ればヒビが入ったとか、貴重な経験もあったかもしれませんが・・・。
こんな感じで古いフレームも乗れてしまったりするんです。 反対に90sとまだまだ若い方と言える世代のオーバーホールのご依頼で、目視確認は出来ませんでしたが、カキカキとフレームの溶接点付近から異音が出るという事もありました。

また某メーカーの新品クロスバイクの組付け時では、Vブレーキの作業中に初期伸びを取るため動作点検もかねていると、目に見えてフレームがたわみキキッと異音もする。「これはダメだ」とメーカーに報告し保証交換となった事もあります。

そんな諸々を判断材料にしたとしても『自転車の寿命』とは難しいものなのかなと思います。 最近では部品代も高騰していて、『直すのと買い替えるのとあまり変わらないね』と感じるお客様も増えています。 これは自転車は直したら乗れるけど、値段と愛着のシーソーゲームで値段が勝っちゃった場合ですね。
で、そこでやっとこの自転車の話となるのですが、持込の際にオーナーさんが仰った一言目『いくら掛かってもいいので』
それだけの思い入れをお持ちだと『自転車の寿命』はどれだけの意味を持つものになるのでしょうね。 自転車もやはり道具でいつかは寿命が絶対来ますが、結論が無いようなこの話、皆さんはどう思い、また感じますか?